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宮本 敏夫(みやもと としお)
その12 「旅行が大好き、焼肉男。」
アズワークで焼肉といえば、この男の名前があがる。アズワークでは年に2回ほど焼肉
パーティが開かれる。若い頃のことだが、その席で故・会長にすすめられるまま、次から次へと焼肉をたいらげた。それ以来、「宮本といえば、焼肉。焼肉といえば宮本」といわれるようになってしまった。社長からも「焼肉食べてるか!」といわれたときに、つい冗談半分で「はあ、週に一回は食べてます」といったところ、焼肉の宮本というイメージがついてしまった。
そばも好きで毎日のように食べる。これは好きというより、健康のためにできるだけ食べるようにしているという。そばは高血圧にいいと聞いたからだ。
その大食漢でも食べられない、否、絶対食べないというものがある。かぼちゃの煮つけである。小さい頃貧乏で、毎日毎日かぼちゃの煮つけを食べさせられた。そのとき、泣いて親に反抗したことがあった。そんな想い出があるから、あえて「かぼちゃの煮付けは食べない」と自分で決めた。
それと、クルマで旅行するのが楽しみだという。年3回以上は、妻とふたりで気ままな旅行に出かける。仕事の息抜き、というものではない。根っから、旅が好きなのだ。ついこの間は5日間かけて、青森から秋田、山形とまわってきた。距離にして約1000キロの旅である。国内だけでなく、時には海外へも足を伸ばす。いまはアンコールワットを見に行きたいそうだ。知らない所でいろいろなものを見たり、体験したりする。それが楽しいのだ。夢はいつかクルマで全国一周することだという。
アズワークに勤めて40年ほどになる。一品物の溶接を担当しているが、若い人への指導がうまいと評判だ。温厚な人柄で丁寧に技術を指導する。本人はそんな意識はないのだが、アズワークでいちばん指導がうまいというひともいるくらいだ。
「一生懸命やれば、技術は後からついてくる」というのが、宮本の持論だ。若いひとを指導していて、ある日突然、いままでできなかったことが出きたりすると自分のことのようにうれしいという。
大きな身体で力もある。ちょっとしたものならクレーンを使わず、ひょいと持ち上げてしまう。ただ、その度にガシャン、ガシャンと音を立てるものだから、周囲は「とにかくうるさい」と思っていることを、宮本は知らない。
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