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日高 裕子(ひだか ゆうこ)
その13 「初めて買った馬券が、517万円なり。」
名物社員その11で「アズワークきってのインケツ男」と原田を紹介したが、その原田の運をすべてこのひとがかっさらってしまったからではないか、と思えるのが、日高 裕子である。
アズワークがかつてエクステリア部門を立ち上げたとき、採用した。以前は松下電器の電化調理部で炊飯器をつくっていたことがあっただけに、テキパキと要領を得た彼女は、社長いわく「エクステリア部門がすぐ軌道にのせることができたのも彼女がいてくれたおかげ」だそうだ。
その彼女が実に強運の持ち主なのだ。平成9年の春、ちょうどこのアズワークに来たときのことである。日高は仕事のことで当時の上司とトラブった。そのことが腹立たしくて、家に帰ってもむしゃくしゃしていた。そのとき、息子から「明日は競馬あるで」と聞かされた。そのとき、気晴らしにとふたりの息子たちに1万円ずつ渡し、自分も1万円で馬券を買うことにした。
もちろん、それまで競馬のケの字も知らなかった日高は、何をどう買っていいのかわからない。そこで自分の誕生日「2月18日」になぞらえて、「2−1−8」を指定した。恐らく、3連複(1着から3着までを当てる馬券の買い方で、着順に関係なく3頭の馬が入れば当たり)だろう。むちゃくちゃな買い方に息子たちは猛反対したが、日高は「私のお金で何を買おうと勝手でしょ」と譲らなかった。
翌日曜日、馬券を買った息子から電話がかかってきた。なんと、その馬券が当たったという。しかし、着順は「1−2−8」だったか「8−1−2」だったかで、競馬を知らない日高は「私が買った馬券じゃない」と当たったことがわからなかったらしい。
配当は517万9千円なり。しかも、この年はもう一度万馬券を当てている。このときも、別に当たりを意識したわけではなく、手じかにあった数字で馬券を買ったら、当たったというのだ。ビギナーズラックもここまでくれば、強運というしかない。
いまは競馬はしないというが、パチコンだけは気分転換によく行くという。パチンコは一種の気分転換で、それで儲けようなどとは考えたことがない。競馬で当てた配当金も、ほとんどがパチンコで消えてしまったそうだ。そのあたり、あまりお金に執着はないというか、だからこそ万馬券が当たるのである。どうでしょうか、原田さん。
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