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こんなもんつくったでえ 1st その13

その13 補助タンクを使って高所作業するための3段高マスト。

3段高マスト 1964年

フォークリフトのシリンダ(支柱)は、1段が約3mである。それが3段(シリンダ部分は2段目まで)あるため、これは3段高マストということになる。従って、最高部は約9mで、約7、8mの高所へ資材を持ち上げたり、積み下ろしたり、ときにはひとが搭乗して作業することもあった。(当時は安全性については自己責任で、というか、あまり厳しくはなかったようだ)

3段高マスト 1964年

しかしこれだけの高さで作業するとなると、まずそれ相応のパワーを確保しなければならない。そこで、座席の下に油圧の補助タンクを設置した。けっこう大きな補助タンクである。
資材や人を持ち上げるには十分なパワーはあったかもしれないが、この上で作業するとなると、空恐ろしい。まるでとび職である。もちろん命綱をつけての作業だろうが、想像しただけで足がふるえてしまう。
それと、安定性の確保だ。バランス具合は十分設計段階で計算されているが、安定性を確保するためダブルタイヤを履かせてある。
このタイプのものはいまでも比較的多く生産されているが、カタチも安全面もこの頃とは比べようもないほどスマートで機能的につくられている。しかし、どんなに安全だといわれようが、7、8mもの高い場所で作業するというは、とてもじゃないがお断りしたいものである。えっ? この作業を断ることは誰にもできないって? なぜなら、「マスト ドゥ(やらねばならない)」だから。