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トップ > アズワークワールド > こんなもんつくったでえ > 1st その7
これをつくったのは、確か昭和47、48年頃だったと思う。セキスイの奈良工場で、ユニットバスの金型を交換する作業に「こんなものがあったらなぁ」という声があった。最初はTCMの滋賀に話を持ち込んだようだが、現会長がその話を耳にし「うちでつくれる」と手をあげたのである。予算は確か1000万円ぐらいであったように思う。バスユニットの金型はかなりの重さがある。これが、20tものバッテリー式自走運搬車を製作するきっかけであった。
手をあげたはいいが、それまで10tクラスまではつくったことはあったが、20tもの大きなものは初めてである。設計するだけで1ヵ月もかかったと思う。もちろん、設計も当社の井上が行なった。
無段階変則で、初めて思い通りに動いたとき、かなり感動した。というのは、実は最初に組み立て完成し、勢い込んで奈良まで運び、現場におろした途端に動かなくなってしまったのである。当社のテストではうまく動いていたのだが、そのまま持ち帰るという苦い轍を踏んでいたからである。
その後、担当スタッフがさまざまな角度から検証した結果、どうやらべベルギアに原因があることを突き止めた。大急ぎで改良し、再度納車した。それが滑らかに動き出したときは、ほんとうに感動したものである。しかし、それ以上によろこんでいただいたのは、クライアントであった。というのも、いままで金型の交換に丸1日かかっていたもので、このバッテリー式自走運搬車が完成したおかげで、その作業が1時間で行えるようになったのだから。
※ 写真は10tのバッテリー式自走運搬車です。当時のものは、さらに大きな20t車を制作していました。
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