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このアタッチメントも、当社で制作した変りダネ製品のひとつである。製作したのは、昭和41年頃だったと思う。納品先は、日軽金属の蒲原工場だった。
エクステンションという名前の通り、フォークが上下動すると同時に、伸び縮みもする。そうして、積荷を狭い場所の奥にしまったり、逆に奥まった場所から荷物を取り出したりすることもできる。つまり、平地に荷物を二重に積み置くときなど、機動力を発揮した。昔は物流倉庫などの合理化までは手がまわらず、限られた平地スペースでいかに効率よく荷物を置くかが競われたものだった。
当時としては、荷物を立体的に積み上げていく技術にも限界があり、荷物の保管スペースを稼ぎ出すための強い味方であった。
設計から行なったが、いちばん苦労したのはエクステンション・フォークの強度設計だ。水平方向の力と垂直方向に加わる力に、同時に耐えなければならないのだから、荷物の重さにも限界がある。何度もテストを繰り返し、荷重とバランスの関係を試行錯誤した。日軽金属では、主にアルミ製品の荷役作業に使われたらしい。アルミは確かに金属のなかでは軽いほうだが、それでも荷役となると結構な重さになる。
もし作業中にバランスが崩れたり、持ち上げきれずに積荷が落下するようなことにでもなれば、大事故になる可能性もある。
アームで積荷をつかみ、伸ばしたままで上下させても安全・確実に行なえるまで、何度設計をやりなおしたことだろう。
苦労の甲斐あってエクステンション・フォークは完成した。製作したうれしさもさることながら、そのエクステンション・フォークが、蒲原工場できちんと仕事をし、大きな役に立ったことが、なによりましての感激であった。
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